絵本 パパがやいたアップルパイ
アップルパイとつながる世界。
谷川俊太郎さんの美しい翻訳です。
- 作者: ローレントンプソン,ジョナサンビーン,Lauren Thompson,Jonathan Bean,谷川俊太郎
- 出版社/メーカー: ほるぷ出版
- 発売日: 2008/09/01
- メディア: ハードカバー
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クリーム色の地に黒と黄土色とりんごの赤が映えるきれいな色あいの絵本です。この3色のみで全ページ描かれています。このシックで上品な感じの色味に、味のある絵、そして表紙はやはりマットな品のある紙。一目みて全て気に入り、書店で衝動買いしてしまいました。
これはパパがやいたあまくてあつあつアップルパイです
という1文からはじまる絵本。
食いしん坊の私は「あまくてあつあつアップルパイ」の部分でもうノックアウトです(^_^;)。
そのパパのアップルパイはたくましいりんごの木と繋がり、木は立派なねっこと繋がり、ねっこは冷たくて気持ちがいい雨と繋がります。というように、くもやおひさま、地球があってアップルパイができるという壮大な話に繋がります。
「つみあげうた」というそうですが、最初の文にどんどん次の文章が足されていって、どんどん長い文章になっていきます。この本でいうと、
これはパパがやいたあまくてあつあつアップルパイです
という一文にどんどん文が足されていきます。結果、最初にでてきた文ほど何度も繰り返す事になるので、何度か読むうちに子どもたちもどんどん文を覚えていきます。覚えていくので読めなくても自分で言いたがります。まだ3歳の娘は聞いているだけですが(なんなら途中で逃亡しますが(^^;)。ちょっと集中力が続かない子なのです(^^;)) 、5歳の娘は楽しそうに私と一緒に文を読み上げてくれます。
そういえば前にご紹介した「やかましい!」という絵本もつみあげうただったんですね。繰り返しの文は子どもたちは大好きです。
食事の時に子どもたちとお魚を食べながら、この魚はどこかの漁師さんがお船で海に行ってとってきてくれて、誰かがうちの近くのスーパーマーケットまでトラックで運んでくれて、スーパーの人がお母さんに売ってくれたんだよ。うちの近くには海はないからずーっと遠くから運ばれてきたんだよ、というような話をすることがたまにあります。ですが、この絵本はもっと根本から語ってくれています。お米や野菜なども、作ってくれた人の話をしたことはありましたが、ねっこやお日さまの光、雨までは私は話せていませんでした。
お日様があって雨が降って、と普段気がつかないほどの当たり前の、大事な事に気づかせてくれる美しい絵本です。
オススメです。